インタビュー 今日のゲストはfさん

━━久しぶり!バイト辞めたんだって?

やめたね。七月に受かったキッチンは一日で辞めて、八月受かったホール・キッチンは三日で辞めた。

━━なんで辞めたの?

七月のほうはシンプルに作業場が汚かった。トイレも、今どき和式便所かよって(笑)。それにロッカーは汚いし、電気もろくにつかない。俺に指導してくれた人は気さくな感じだったけど、どうも気乗りしなかった。それから八月の方は、あれは本当は受かるつもりじゃなかった。

━━受かるつもりじゃなかった?

そう。だってホール・キッチンだよ?ただでさえ接客がまともに出来ない俺がホールとキッチンをこなせる訳がないじゃない。だけどあまりにも受からなかった訳から、しょうがなく応募しただけ。まあ三日で辞めちゃったから結局ホールしか任されなかったんだけどさ、本当に忙しかったんだよ。少しでもゆっくりやろうとするとすぐと急かされるし、二日目くらいでホールの全てをやらせようとしてくるし、俺にだけ高圧的な態度を取ってくる魔女のような鼻をしたババアもいるときた。何もかも俺にとって悪夢そのものだったよ。人間のやる仕事じゃないな、あれは。

━━でもさ、給料日までは続けたくなかった?

続けたい訳がない。そんな気力は二日目でなくなったよ(笑)。はっきり言ってチェーン店なんぞどこもろくでもない客層ばかりなんだろうけど、もうあれは客との距離が近すぎて参ったね。おまけにキッチンのほうにいるシフトリーダーと女クルーの談笑が丸聞こえなんだよ。それがとっても不愉快でさ。俺は過去に牛角を利用したときケラケラと女の笑い声がキッチンから聞こえてきて、それが物凄く耳障りで心地よく食事できなかったことがあるんだ。それからあそこの牛角だけはずっと避けて通ってるんだけどさ、何というかそのことを思い出しちゃってね。

━━まあ、どこのチェーン店もそういう感じだろうね。

そう、だから辞めたんだ。なにぶん店が狭いもんだからクルーと客から挟み撃ちにあってるような気分になってね。あれじゃ逃げ場がないよ。その点スーパーやコンビニには品出しがあるから一人になれる時間がある。あれはよかった。特にスーパーはいい、広くてね。

━━でもスーパーのバイトは辞めちゃったんでしょ?

今は少し後悔してるよ。ただ基本清掃作業だったからね。そこがあまり気に入らなかったんだけど、今思えば悪くなかったのかもな。でもあのバイト以来、俺は慢性的な腰痛になってしまった。

━━今も面接は受けているの?

もちろん。収入源は必要だからさ。父親からの仕送りだけじゃ生活はできぬからね。それに今俺はMacBookが欲しい。そんためにもバイトしないといけないんだ。

━━健闘を祈るよ。

ありがとう。週四から五とか、朝から出勤可能とかにすると、少しは受かりやすくなるね、当たり前だけど。もうなりふり構ってられないから、とにかく即戦力のふりをするしかないんだよ。まあ、なるようになる。

━━今日のゲストはfさんでした。どうもありがとう。

ありがとう。また話そう。

スマホがぶっ壊れた

11時10分頃起床。

スマホは相変わらず壊れたままだ。延々と再起動を繰り返す(リンゴループと呼ばれる状態らしい)。おそらく一昨日インストールしたIOSのアップデートが何らかの理由で失敗したことを起因とした不具合ではないかと思う。もう昨日からずっとこのざまである。wifi環境が悪かったせいでインストールの途中で問題が起きた?とにかくなんでもいい。修理しに行かなければならない。駅前にある修理ショップへ向かうことに決める。

12時頃、コーヒーを飲み干す。

不幸中の幸いは応募していたバイトに落ちていたこと。もし受かっていたとしても俺は電話に出られないのだから、そういう意味では助かった。

しかしこれで8回落ちた。もうすぐ漫画家の山田花子くらいバイトに落ちたことになりそう。ここまで落ちてしまうと面接中に緊張することは滅多になくなる。慣れというものは恐ろしい。無意識のうちに腕組みや足組みまでしてしまい慌てて直すことさえある。

12時半頃、修理ショップへ向かう。

通常復旧できた場合は9900円、初期化での復旧は6600円と店員に告げられる。俺はこの手の相場はいくらか知らないが、とにかく直りさえすればいいと2、3時間預けることとした。帰宅後、セブンイレブンで買ったサンドイッチを食べる。

16時半頃、再び修理ショップへ。

結局初期化しても復旧できなかったそうで、3300円請求される。やや絶望。どうも基板修理対応をしている専門店へ持って行った方が良いとのこと。それか本体交換。頭がガンガンしてきて、この世の全てを呪い始める。帰宅後、総菜コーナーで買った唐揚げと卵焼きを食べるも、全く味がせずうんざりとする。

18時10分頃 解決策。

applecareに加入していることを知ったので結局本体交換してもらうこととした。近場の正規代理店に予約を完了。少し気分が楽になり、飲酒。しかしよく考えたらあの修理ショップがやっていたことなど俺でも出来るような作業だったんじゃないか。別に専門的な知識を必要とする基板修理とかでもなく、ただパソコンに繋いで復旧作業するだけなら、手順さえ知っていれば誰でもできよう。それを復旧すら出来なかったにも関わらず3300円も取るなど、まるで詐欺にあったような気分。かといっていざ自分で作業しようという気力は湧かないのだから、これに関してはまあしようがない。

馬鹿者3

しかしまた何でおれはバイトなんか始めたんだろう。クソみたいにずっと実家で引きこもりを続けていればよかったのに。16歳のときコンビニのバイトをして、延々と愛想の悪い態度でおれに接してきたろくでもない店長を怒鳴ったことがある。ヒョロい眼鏡をかけた男で、ちょっと小突いただけで肋骨が折れそうな体格をした奴だったな。いや、なにも理由なく怒鳴ったわけじゃない。給料をきちんと振り込んでいなかったから電話先で口論になったんだ。面と向かって、罵倒して辞めてやったときは、気分が楽になった。おれはそれ以来、8年くらいバイトをしなかった。

今おれが務めているバイト先のチーフは、風俗好きのデブみたいな見た目をした中年男で、俺が5分程度遅刻したくらいで厭味ったらしく注意をしてくる。本当に厭味ったらしい感じなんだこれが。息も臭くてかなわない。それにさ、奴が客前ではバッタみたいに頭を下げている姿を見ると本当に笑えてくるよ。ああいう客商売ってのは本当にみっともなくて仕方ない。思えば、清掃作業のみを希望して応募したというのに、なぜ品出しやら接客やらまでしなければならないんだ。詐欺に感じる。おれは接客がきらいなんだよ。本当、どうしてこんな下らないバイトに応募してしまったんだろう?

おれはイラついているし、太ってきている。そう、腹が出ている。見るからにデブってわけじゃないが、間違いなく腹が出てきている。おまけに生え際も広がってきている。間違いなく。俺は自分がハゲてきているんだと思い込んで、専門のクリニックで見てもらったことがある。そのときのおれの緊張ぶりったら、今思い返してもみっともないもんだった。ハゲっていうのは現代では薬で止められるっていうらしいから、金を払って飲んでみたが、効果があるかどうかもよく分からない、こんなのに何の意味があるんだ、としか思わなかった。実際、俺の兄貴もハゲていたし、おれもきっと将来ハゲるんだろう。

この前までインターネットが止まっていて、それは未払いの請求を支払うのを完全に忘れていたせいだったんだけど、おかげで漫画を読むか、積読の本を読むかくらいでしか時間を潰せなかった。それはそれで有意義だったけど、結局部屋にいることがどうにも耐えられなくなって、せっかくなんでということで、前から気になっていた美術館を見に行くことにした。9月くらいまでやっていたロートレックの展示に行けなかったことを後悔していたから、どうせ、ネットも止まっていることだしと見にいったんだけど、ただおれ、展示されていたミュシャって画家にはあまり興味がなかったんだ。それにミュシャの絵は工芸的とかよくいわれていたんだけど、そういうところもあまり好みじゃなかったんだ。でも間近で絵画を見ることは悪い気分はしなかったし、それに他の画家の展示も見れたし、さらに言わせてもらえば、おれは美術館に金を落とした。そのことについては美術館側には感謝してもらいたいと思う。

馬鹿者 2

なにか無性に空しいという気分に駆られる。やりきれない。夕方に飲酒し始める。これは俺の日課だ。唐突に理由なく流れてくる小粒ほどの涙をティッシュでぬぐってはジっとyoutubeの再生画面を眺めている。たしかに孤独だった。何年ものあいだ誰とも会話をせず生きて来た。普通ならそんな人生、終わってると言われるだろう。それでも俺は生きていた。生きてしまった。そんなことを思いながら駅の改札へ向かう。肩を抱き寄せるカップルを眺めてふと俺は他人の幸せについて考えたことがあったのかと自問した。

一緒に買い物したい、カラオケに行きたい、海に行きたい、そんなのはとてもくだらないと思ってた。この世界を拒絶したいなら世間一般で謳われている幸せなどお前には必要ない。そう自分に言い聞かせて引きこもりをしてきた。それは半ば信念のようなもので、人と関わり合わないというのはつまり傷つくということもないのだから繊細な自分にとっては都合が良かった。

だけどSNS上で知り合った人たちと交流しはじめて、会話をしながら散歩をしたり酒を飲みかわしたりした時は、人と関わり合う、特に自分と波長の合う人間と関係を築くことも悪くないなと思えたし、そういう人間関係を欲している自分にも気が付いた。俺は十代の頃に築けなかった思い出を欲していた。それは良い思い出だけではなく自分にとって苦々しい負の思い出も含めて。

かつて睡眠薬を飲んでは通話相手の女性に「ハグをしてくれないか」と執拗にせがんだことがある。相手は大抵苦笑いしながら俺の頼みを断った。これは一人や二人だけの話じゃない。

俺は好かれてない、逆恨みに近い形でいいねをすることをやめる、そしてひっそりとフォローを外す。

だらしないこの生活習慣に同情してくれるかどうかでしか女性と接していなかった。つまり俺にとってとにかく都合のいい存在になってくれ、文句らしい文句は言わないでくれ、俺の望む台詞しか言わないでくれということを求めていたし、俺の望み通りにならない人間のことは徹底的に敵視し、常に敵か味方かでしか人間関係を築かなかった。圧倒的な、無条件の愛情を求めるというのは俺の執着障害のひとつだと思う。

ハイになるより記憶を飛ばすより自殺よりも死んだ状態より、生きているという感覚が欲しい。まともに生きた試しはないし、引きこもりだった男に社会常識なんて備わっていない。引きこもりは社会問題。今でも一人で生きること自体は苦じゃない。ただ寂しくないと言えばそれは嘘になるし、人とのつながりは欲しい。孤独であることをうれしく思う奴はいない。

もはや孤独という言葉は聞き飽きた。無職、引きこもり、友達なし、孤独死。親が死んだらどうするの。どうするんでしょうね。専業主夫を目指しているけれどヒモ扱いされないかしら。俺は清掃のバイトをしているから掃除には自信がある。自分のお部屋は汚いけど。

 

 

今月見た映画について語ります

“マッシブ・タレント”をNETFLIXで視聴中、主人公ニコラスケイジ(本人役で出演している)が自分の好きな映画TOP3の中で“カリガリ博士”という100年以上前の映画を挙げていたのが気になった。

今月になってふいとそのことを思い出し、Youtubeで探ってみると活弁字幕付き(活弁とは無声映画上映中に話の内容を解説したり人物のセリフを代弁する職業のこと)の動画が上げられていたので視聴してみることに。

映画の内容を大雑把に解説すると、精神異常の医者であるカリガリ博士夢遊病患者のチェザーレを利用し邪魔者を殺していくという感じなんだけども、ストーリーより俺が感心したのは舞台のセットだ。なんだかムンクの絵画みたいだった。

狂った遠近感と歪んだ建物。実際に見学してみたい!あとで調べみたらセット作りに表現主義の画家が関わっていると聞いてなんだかこの映画のことを気に入ってしまった。

それから少しサイレント映画のことが気になり始めたので、今度は有名どころの“戦艦ポチョムキン”を見ることにした。

ソ連製のこの映画は共産プロパガンダ色が強いものの今見ても楽しめる内容ではあった。

しかし100年以上前にあんな俯瞰アングルどうやって撮ったんだ、カメラをどうやってあんなところに持っていったんだろう、クレーンか何かを使ったんだろうか、うーん、それくらいカメラのアングルに驚くシーンがあった。戦艦を埋め尽くすほどの水兵を見て思った、今じゃこれ全部CGで出来ちゃうんだよなあ。こんなに大勢の役者、いや役者なのだろうか、地元のチンピラとかも混じってるんじゃないか、やっぱり撮影中諍いとかあったのかな。

こんな映画作ってしまったらそりゃ当時の作家や評論家もソ連を手放しに称賛してたのも無理はないかな。結局スターリン時代にはいろいろ検閲されちゃったらしいけど。

まだ見てみたいサイレント映画はあったが、それはすこし後回しにして気になっていた“酔いどれ詩人になるまえに”をニコニコ動画で違法視聴。

正直映画としては大して面白くなかった。ストーリーも単調で山がなければオチもないし、正直お酒片手に垂れ流しで見るのがちょうどいいという感じであった。

主人公チナスキーについては“酔いどれ”というよりただのアル中だと思う。定職に就かず住処を転々としながら生きる彼にとって唯一の心の拠り所は詩人としての自分だけである。

チナスキーの職歴のざっと紹介すると

運送会社:冷凍車の荷台を開けたままバーで飲んだくれる。クビ。

タクシー会社:過去に飲酒運転で2回の逮捕歴があることが上司にバレる。クビ。

ピクルス工場:検品をバックれて酒場に向かおうとするところを上司に見つかり乱闘、クビ。

原稿を出版社に送ってもまったく相手にされない、そんな燻ぶった日々を送りながら彼は場末の酒場で自分と同じようなアル中の女ジャンに出会い、彼女の家へと転がり込む。かくしてヒモ生活が始まるわけだが、やることは飲酒とセックスだけ。ちなみにこのジャンという女は生粋のダメ男好きである。

途中チナスキーが競馬予想で生計を立て始めて羽振りが良くなるんだけど、そんな彼を見て「歯学部の学生か配管工みたい」「出会った頃の我が物顔で道を歩いてた頃のほうがマシだった」「今のあんたは馬のクソ」と評するくらい彼女はダメ男な彼を好いている。

この映画の好きな部分は主人公がまったく悪びれる素振りを見せないところかしら。これっぽっちも申し訳なさそうな態度を示さない。たった一日でクビになった職場へ出向き小切手を元上司にせびるあの図太さたるや、もはや感心ものだ。

きっとガキの頃にこの映画を見ていたらこんな退廃的な生き方に憧れを抱いてたかもしれないな。しかしそれは結局のところ主演俳優の見た目のカッコよさと演出のおかげで絵になっているからであり、正直ああいう生活にはもっと暗澹たるものがあるはずなのだがこの映画ではそこはあまり伝わってこなかった。

あと、もう少しみすぼらしい三枚目を演じられる俳優を主演にしたほうが良かったんじゃないかな。あの顔じゃ何やってもカッコよく映ってしまうもの。

そういえばNETFLIXに“カジノ”があった。これはうれしい!カジノほど最低な父親と母親が見られる映画はないから。

馬鹿者1

俺は生来器の小さい男で、ちょっとしたことですぐ人を僻む。今じゃそれを治す気さえ起らず、ただ自分の気質異常の一つとして諦観している。

例えばあるフォロワーに会う約束を取りやめにされて、何日かした後ほかの奴と遊んでることを匂わせる写真ツイートを目にした日にはすぐミュートするかブロック解除を行ったりする。結局俺と会いたくなかっただけならそういえばいいだろうと一人部屋でふてくさる。お酒が入るとさらにムカつきが増してきて、「どうせ俺みたいな学がない癖して文句だけは一丁前な奴より自分の精神病や恋愛遍歴をネタに音楽するような奴と会いたかったんだろうな。今頃二人で俺の惨めな姿を馬鹿にしながら酒の肴にしているに違いない」と何ら根拠のない陰謀じみたことを口走り始めるのがお約束となっている。

 

腹の中でフォロワーに痛罵を浴びせたあと、布団の上に寝転がる。天井を見つめて自分の僻みぶりを再確認し辟易するときだ。自分でもわかっている。だからお前は一人なのだと誰に言うとでもなく呟く。

だが人から同情のようなものをされると、まるで施しをしてもらっている乞食のようだと恥ずかしさを覚えるかなり狭小なプライドを持っている始末。

それと本当に恥ずかしいのは人と少しでもウマが合うとすぐ自分の身の上話を開陳し始め、話す必要のないことまで相手にこぼしてしまう。まともに人と会話をしていないとこういう恥を重ねるようになる。

俺は死ぬまでこうなのか。人とまともな関係性を作れず二十歳を過ぎた自分にただ怖れを覚える。世間から見れば俺が罵ってきた人達なんかのほうがよほどまともな生き方をしており、社会にとって“有益”な人達なのだろう。

俺を理解してない人たちは俺の人柄をこう評する。

「あなたは優しすぎたんだよ」

どうもありがとう。じゃあそういうことでいいと思う。

 

 

たまに見返す映画2

リービング・ラスベガス。確かアル中と娼婦の恋物語だったか。妻子には逃げられて会社まで首になったアル中の主人公がラスベガスを死地とし肝硬変で死ぬまで酒を飲み続けてやろうと決意し、そこで出会った売春婦と一緒に破滅していく話だったと思う。

多分そんな話だ。たまに思い出しては断片的に見てる映画だ。主人公がスーパーマーケットでノリノリで酒をカゴに入れていくシーン、もはや気持ちいい。何が原因でここまで酒に溺れたかさえあまり明確に描かれていなかったと思うけどそこがよかったと思う。酒をやめる気もない男と孤立しきって拠り所を探していた娼婦との共依存物語。

 

フィッシャーキング。人気ラジオDJが自分の軽口が原因で銃乱射事件を引き起こしてしまいすべてを失う。そのあとなんかチンピラに絡まれたDJがよく分からんホームレスの男に助けられるんだけど、その男、実はそのDJが遠因で引き起こしてしまった銃乱射事件で妻を失った男だったとか。

そのことを知ったラジオDJはなんとか力になろうとするわけで、どーたらこーたらみたいな映画だった。まあ後半はそんなに面白くはなかった。そのホームレスに彼女を作らせてやろうとかで、そんな感じだったはず。多分全てが都合よくハッピーエンドに収束してくようなものが俺には合わなかったんだろうと思う。前半はいいよ。



死の王。自殺する人間たちをオムニバス形式で月曜から日曜まで描く映画。薬を飲んで風呂場で自殺する人、拳銃自殺する人、銃を乱射し自殺する人。なんでもござれ。記憶に残っているシーンの一つは水曜日の話。

雨の中ベンチに座ったずぶ濡れの会社員の男が妻との性生活が上手くいかないことを隣の見知らぬ女に愚痴る。男は残業が続くことがその原因だと語り、あなたと一緒なら私はそれだけで幸せと慰みの言葉をかける妻にさえイラついてしまう。妻と高価なレストランで食事をして映画を見たあとも結局ベッドで上手くいくことはなく彼は抑えていたものを噴き出したかの如く彼女を刺し殺してしまったことを告白。その瞬間隣に座る女が懐から拳銃を彼に突き出すんだけど、彼は構わずその拳銃をつかみ取り自分の口元に運ぶわけです。それが覚えているシーンです。

これ以外にも土曜日の銃を乱射して自殺する女に話もお気に入りです。